小児の治療
大原歯科・矯正歯科では、子供を押さえつけて治療しません。
大原歯科では子供を押さえつけて治療しません。
私は多くの大人の患者さんも診てきましたが、子供の頃、無理に押さえつけられて治療した経験をお持ちの方は、歯科治療にとても恐怖心を持つため、虫歯になっていると自分で分かっていても怖くて歯医者さんに行けずに、いよいよ市販の痛み止め薬が効かなるまで放置されていることが少なくありません。最も良い道は、子供の頃に虫歯がひどくならないようにコントロールすることです。
(例外的に、ケガで歯を打って来院された子を、バスタオルなどで体を巻いて治療する場合があります。幼稚園や小学校が近いため、ケガで歯を打って来院される子も結構います。)
子どもが歯みがきを嫌がって泣く時どうすれば良いか?
子どもが歯みがきを嫌がって泣いたら、どうしますか?
うちの子供も、2~3才の頃は、朝・昼・夜の3回の歯みがきをとても嫌がりました。
母親が子どもを横にねかせて、子どもの足を母親の足で包み込んで押さえつけるようにして磨いている時期もありました。磨いている間は、ずっと泣いていました。少し、かわいそうかな、とも思いできるだけ短い時間ですませてしまおうと考えることもありました。手抜きですね。
いつか、泣かずにみがくことが出来るようになるのか?
歯みがきが大嫌いな小学生になってしまうのか?
など悩んだこともあります。
それが、なんと4才頃、泣かずに我慢ができるようになったのです。
口の中に、歯ブラシを入れてもその不快さに少し慣れたんでしょうか?
不思議ですね、だんだん出来るようになるのではなくて、いきなり突然泣かなくなるんですね。
少しずつ歯みがきの大切さを話し、虫歯の怖さも教え、それがようやく伝わったのかなと、とても嬉しかったです。磨き残して虫歯をつくるよりも、頑張ってみがいていれば、いつかそれが子どもの心に届くのではないかと思います。自分一人で歯磨きができるようになるには、まだまだですが、これからの成長を見守りたいと思います。もちろん、フッ素を塗ることも大事ですね。
3の倍数で変化していく子ども達
1歳半健診、3歳児健診、6歳で小学校入学、9歳で小学校の中心である3,4年生に、12歳で中学に入学、15歳で・・・、18歳で・・・、というふうに子ども達は、大まかに
3の倍数で心身と頭脳が変わっていきます。
(6歳の時に6歳永久歯が生え、その後ろの7番目の歯が12歳で生え、そのまた後ろの8番目の歯(親知らず)がおおよそ18歳で生えてきます・・・。なんだか神秘的ですね。)
まっすぐな坂を上るのではなく、らせん階段を1歩1歩上るように大人へ近づいていきます。
大事なのは、らせん階段の上部の行き先はあらかじめ決まっているのではなく、その子その子が日々をどのように過ごすかによって、目の前に出現する次の階段が異なり、階段の行き先が変わるということです。
6歳になって今までできなかったことが急にできるようになったり、小学校3、4年生にガラッとお子さんが変化し、言うことを聞かなくなったということを、すでにご経験をされた親御さんもいらっしゃることでしょう。
精神的な成長も勉強も運動も歯科治療も、この3の倍数の法則(?)を重視して取り組むと良いと思っています。
また、素直な人は良い指導者にめぐり合えれば、いくつになっても どこまでも成長するものだな、とも思います。
お子さんなどがケガで歯を打ったら、どうすれば良いか。
お子さんが転んだり、ぶつかったりして歯を打った場合、できれば早めに歯科医院に診てもらってください。
見てもらって大丈夫であれば心配することも減りますね。
歯がぐらついていたり、欠けたり、状態は様々です。
軽症の場合は消毒薬を塗るだけで済むこともありますが、状態によっては、 ダメージを受けた歯を両隣のじょうぶな歯と一緒に一時的な接着樹脂で固定しておいた方がよい場合もあります。
この一時的な固定は、基本的には約1ヶ月ではずしますが、状態によっては1ヶ月以上固定する場合もあります。
大原歯科では今まで1~3ヶ月ではずしています。
どんなケガでも初期段階で、正しい手当てを受けるかどうかで、治りが左右されます。
歯医者さんにはどんなふうに歯を打ったのかを具体的に説明した方がよいです。
また、緊急に抗生剤も処方することが多いため、お子さんに薬アレルギーがないかどうか小学校や幼稚園、保育園に事前に知らせておいた方がよいでしょう。
多くの歯科医院は予約制なので、外傷の急患さんが来られた際は、他の予約の患者さんの治療中で、すぐには診れない場合もあります。
大原歯科でも同じ状態で、前後の患者さんにお願いして少しずつ時間をいただき、対処することもありますが、中にはどうしても時間が作れなくて、 他の歯科医院に電話して診ていただくこともあります。
いずれにしても早い的確な処置が必要であるため、ともかくケガで歯を打ったらすぐに歯医院さんに電話した方がよいでしょう。
スポーツや外遊びをよくする子はスポーツ用マウスピースを持っておいた方が安心ですね。
私の経験では、幼稚園の年中さんや小学2年生が、外傷によって歯を打つことが多いです。
幼稚園や小学校に慣れてくる頃が、最もケガをしやすいということでしょう。
小学校では3年生前後になると自転車で転んで、歯を打つ子がいます。
今まで外傷で診てきた子の中で、自転車で転んだ子は皆、歯が折れていました。
このように自転車のエネルギーはあなどれません。
また万が一、ケガの勢いで、歯が抜けてしまった場合は「汚れを落とさず」、抜けた歯を牛乳につけた状態か、もしくは抜けた歯をお母様などのベロ(舌)の下に置くか、薬局で「生理食塩水」を購入して、清潔な容器に生理食塩水と抜けた歯を入れて、歯医者さんに持って行ってください。
うまくいけば歯が再度くっつくことがあります。
汚れをキレイに落としてしまうと、その刺激で根の周りの「歯根膜」という大事な膜を 傷つけてしまって、歯がもうくっつかなってしまうことがあるため、抜けた歯に汚れがついていてもあまりゴシゴシしないでください。
虫歯の再発はゼロです☆!☆(開業以来今まで10年間)
子供の治療だけでなく、大人の治療でも同じなのですが、開業して以来今まで(平成13年~平成23年の10年間)、定期健診を受診されている方の虫歯の再発はゼロです。
私が治療した詰め物の下には虫歯が再発していません。私としては当たり前のことを当たり前にしただけなのですが。プロとして、複数の基本のポイントを踏まえてキチッと治療した結果です。
21世紀です。もう虫歯の時代じゃないんです!! の記事も見てね
虫歯にならないために
かつて天然痘が世界中の人々を苦しめた時代があります。
しかし、人間の英知により撲滅することができました。
同じようにかつて「虫歯の洪水」という言葉で表現されるような時代がありました。 昨今の日本では喜ばしいことに、虫歯をかなり減らすことができるようになりました。
これは予防技術の進歩(虫歯発生機序の解明、フッ素の応用など)と、皆さんの努力により達成できたすばらしいことであると思います。 今は予防すれば、虫歯を作らずに済む時代です。
おおはら歯科では患者さんの知識を少しずつ高め、生活習慣改善その他の情報を少しずつ提供します。
必要なことを実践される患者さんは、虫歯がほとんどできません。
「虫歯がほとんどない」というのが、当たり前の時代になりました。
歯磨きだけでは、虫歯は防げません!
「歯磨きしているから、安心」ではありません。
歯磨きだけでは虫歯は防げないのです。
フッ素の応用の他にも、おやつのとり方、飲み物の種類、その後のケアの仕方、お母様が知って実践することはたくさんあります。
お子さんにとって本当に良いプレゼントとは何でしょう?
今、ある大学生が来院されています。
その方は
「私は子どもの頃、食について親の躾けが厳しく、甘いおかしを食べさせてもらえなかった。」
と不満げに言います。
でも、この方の歯と歯の間には全く虫歯がありません。
私は「甘いおかしを与えられなかったことが、あなたにとって親御さんからの最高のプレゼントだったのですよ。おかげで歯と歯の間に全く虫歯がないじゃないですか。」
学生さんは、「なーるほど~。」と頷きました。
甘い物が絶対にダメというわけではありませんが、上記の話は「お子さんにとって、何が本当のプレゼントになのか」を考えさせられます。
参考までに書きますと、2歳までに味覚の神経がほぼ完成するので、その時期までに甘味、濃い味に慣れてしまったら、その後大変な目に遭うのはお子さんです。
兄弟・姉妹では下の子ほどその環境にありますので、注意しましょう。
また、「3時にオヤツ」と決めていた場合、例えば2時50分にオヤツが欲しいとダダをこねられたので、お子さんに与えてしまうと、自制心の育成の面で心配です。
「2時50分から残りわずか10分間、がまんできるかどうか」・・・たったこれだけで、その後に大きく差が出ることでしょう。
ハレの日、ケの日
昔は、ハレの日とケの日がはっきりしていました。
普通の日であるケの日では、ケーキなどは食べませんでした。
誕生日など、晴れ着を着てお祝いをするハレの日には、ケーキなど普段食べることができないごちそうを食べることができました。
普段食べることができないから、ハレの日に食べるケーキは、通常の何倍もおいしくて、うれしいものでした。
今はどうでしょう。
毎日がハレの日の食事になっていないでしょうか。
不便だった昔の人と、今の人とどちらが、健康で幸せでしょう?
酸蝕歯(さんしょくし)って何?
虫歯菌が原因で歯が溶けるのが「ムシバ」ですが、虫歯菌が原因ではなく身近なすっぱい食べ物や飲み物で歯が溶けた状態のことを「酸蝕歯」といいます。
例えばレモンはpH(ペーハー)が2.1ですが、飲んだらスカッとする炭酸飲料はpH=2.2です。レモンとほとんど同じくらいの酸なのですが、砂糖の甘みのため、あまりすっぱさを感じないようになっています。その炭酸飲料に抜いた歯を漬け込んでおくと、1時間後には歯の表面はボコボコになります。
それほどすさまじい「酸」なのです。
pH=5.5より低い値のすっぱさから、歯のエナメル質は溶け始めます。
その他、栄養ドリンクでは種類によりますがpH=2.5くらい、
スポーツ飲料ではpH=3.5~3.8、
飲むタイプの野菜ジュースではpH=3.9、飲むタイプのヨーグルトではpH=4.1・・・などなど
これらの飲料が悪いわけではなく、大切なのはこれらを摂取の方法と摂取後のケアの知識を知り、実践することです。すっぱいものでも体に良いものもありますから、歯のケアを知ればよいのです。
でも、炭酸飲料なんて小さい子の歯にはもっての他。
お子さんには酸性の飲み物をダラダラ飲みさせないでください。
特に眠る前にはあまり飲ませたくないところです。
麦茶などで中和できますので、歯磨きがまだ難しければ、眠る前はせめて麦茶を飲ませた方がよいです。
小さい子が病気の時はそうも言ってられない時もあるでしょうが、なるべくすっぱい口の中を作らない方がよいです。
この酸蝕歯の状態にさらに、磨き残しがあると・・・・、ぞっとします。
歯磨きの仕方ですが、すっぱい物を摂取した後、水やお茶を飲んでください。
それから30分も経つと唾の力で歯がやわらかくなるのが抑えられますので、それから歯を磨きましょう。
すっぱい物を食べたり飲んだりした直後は、歯の表面がやわらくなってしまっていますので、その時点でゴシゴシしたら、エナメル質表面がはがれてしまいますので注意が必要です。
子供のフッ素について
以前は子供の虫歯に、とてもよく使われたサホライドというフッ素があります。
これを塗ると虫歯のところが黒くなります。
しかし、これほど幼児・子供さんの虫歯を救うものはありません。
塗るだけなのですから、虫歯を削る治療と比べると、痛くありません。
サホライドは「虫歯を薬で焼く」という感じです。
デメリットは虫歯になりかけている部分や虫歯のところが黒くなってしまうこと、少しにがいことなのです。
まず大切なのは乳歯の虫歯を退治すること、次に生えてくる永久歯を守ること、そして乳歯の歯並びの状態が、次に生えてくる永久歯の歯並びにとって良い状態であることです。
もちろん、おおはら歯科でも白い樹脂やシーラントもしますが、歯科治療がこわい2歳くらいの子を押さえつけて、そのような治療はしません。簡単なサホライドや、黒くならないマイルドなフッ素(フッ化ナトリウム)で虫歯にブレーキをかけることから始めることが多いです。
「精神的な成長を待つ」という姿勢が大事ですね。
私の子供には虫歯になる前に、乳歯奥歯と乳歯の前歯もサホライドを塗りました。 ほとんど黒くならず、幼稚園でもお友達とワイワイ楽しく 過ごしました。 そういうことの方が子供にとっては 大事だと思っています。
「いずれ生え変わる乳歯が少し黒くても、痛くなくて噛むことができればよい」 という子が多いと経験的に思います。
サホライドは虫歯に急ブレーキをかけてくれます。その間に、歯の磨き方の指導をし、黒くならないマイルドなフッ素も応用し、おやつ摂取方法などを改善するのです!!
そして、「削って埋める」処置が受け入れやすい年齢になった段階で、必要であればそうします。
時間はあっという間に過ぎていき、子供はあっという間に成長するのですから。
サホライドは昔から歯科で応用されているロングセラーの薬品です。それほどに確実性と信頼性があります。また銀イオンを含む液体ですので、虫歯の複雑な部分にまで、塗るだけで浸透してくれます。 本当によくできています。
株式会社 ビーブランド・メディコ・デンタル -BEE BRAND MEDICO DENTAL
「重曹うがい」は素晴らしい。
フッ素は確かに歯を強くしますので、大原歯科ではフッ素も応用するのですが、体のためには、フッ素はあまり飲み込まない方が良いです。
何でもかんでも塗りたくるのは良くないと思います。
フッ素は適量に使ってこそ、メリットがデメリットを上回ります。
最近では、大原歯科では「重曹うがい」を皆さんにお勧めしています。
食育について
私は栄養学の専門科ではありませんが、医療者として様々な患者さんの治療をする際に、1歳前後の子から高齢の方まで、必ず「毎日 何を食べているか。」の話題をします。なぜなら、まず、食生活は真っ先に歯や歯並びに直結しますし、体や健康は日々の食べ物から成り立ち、歯医者といえども糖尿病やリウマチ、高血圧などのお年寄りの健康状態に注意しながら治療をしますから。
僭越ながら食事に関する私見を述べさせていただきますと、私は経験的に次のように考えています。
食事において例えば1900年のような昔には存在しなかったような成分をなるべく体の中に入れない方が良いと思います。
あくまでも私の主観です。ご参考までに。